「……これ無理だ。書けん」
と途方に暮れた挙げ句、「二人芝居を書いたことがあるという脚本家の方がきっと少ないから、逆に普通」と謎の比較論を繰り出すほど試行錯誤を繰り返した昨年のvol.6公演。
中川大志さんと山中聡さんと構築した、たった二人の物語世界は一つの方向性を突き詰められたと思える(錯覚する)に充分でした。
だからこそ今作vol.7は、できる限り遠くへ飛びたい。ピースを欠いた家族をモチーフに描いてきたここ数作の流れから、できる限り。
行き着いたのはオムニバス・コメディです。いえ、ブラックユーモアの方が正しいかも知れません。初期の「コントと音楽」をご覧いただいている希有なかたからすれば、原点回帰とも言えます。
「今宵、丸の内で」と題しました。舞台となるのはライブレストランです。「……ん?会場自体もライブレストランじゃ……」となると、登場する役者は皆様と同じようにお客様としてやって来るかも知れませんし、料理をサーブする店員なのかも知れません。
と決めたはいいが、「……これ無理だ。久々過ぎて書けん」と現在なっているかも知れないし、遠くへと言った着地は一周回れば、遠くのようで、近距離かも知れません。いずれにしても、他の会場では決してつくり得ない、「シームレスな体験」を提供できたらと思っております。
この秋、コットンクラブでお待ちしております。